ゴジラの立体商標

今回は、ゴジラの立体商標事件(令和 6年 (行ケ) 10047号 審決取消請求事件)を紹介します。立体商標は、機能の発揮や美観の向上のために選択されるものであるから識別力が無いと判断され、周知性を証明しないと登録されることが難しいものです。ゴジラキャラクターが需要者に広く深く浸透しているため、商標登録が認められました。

(判決要旨)

商品の形状は、本来、商品の機能をより効果的に発揮させたり、美観を向上 させるために選択されるものであるから、商品の形状からなる商標は、その 形状が、需要者において、その機能又は美観上の理由から選択されると予測 し得る範囲を超えたものである等の特段の事情のない限り、商品等の形状そのものの範囲を出るものでなく、商品の形状を普通に用いられる方法で表示 する標章のみからなるものとして、商標法3条1項3号に該当するものと解 される。

本願商標の立体的形状に係る本件特徴も、世上一般的にみられる、恐竜や怪獣をかたどった立体的形状が有する上記特徴と本質的に異なるものではな く、指定商品に係る商品の形状そのものの範囲を出るものとまで認めること はできない。そうすると、本願商標は、「縫いぐるみ、アクションフィギュア、その他お もちゃ、人形」という本願の指定商品の機能や、美観の発揮の範囲において選択されるものにすぎないというべきであり、商標法3条1項3号に該当する。

「需要者が何人かの業務に係る商品である ことを認識することができる」に至ったか否かは、使用期間だけでなく、商 品の販売数量、広告宣伝の規模、話題性等も総合して判断すべきものである。加えて、本件においては、本願商標の使用以前から、原告を商品化の主 体とするゴジラ・キャラクターの商品が需要者に広く深く浸透しており、本願商標の立体的形状はこれとの連続性が認められるという特殊な事情も存在している。

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