かばんの登録意匠が登録商標によって無効となった事件
意匠法5条2号には、他人の業務に係る物品と混同を生ずるおそれがある意匠について意匠登録を受けられない旨の規定があります。「他人の業務に係る物品と混同を生ずるおそれがある意匠」には、例えば、外観形態に、需要者に対して他人の業務に係る物品と混同を生ずるおそれがある形態が表されている意匠や、外観形態の一部に、需要者に対して他人の業務に係る物品と混同を生ずるおそれがある意匠が含まれると解されます。
エルメスのハンドバッグに通称「カデナ」と呼ばれる南京錠を付属品(留め具)として付けて販売している図形の登録商標は著名であり、登録意匠の外観形態の一部にこの登録商標に類似する南京錠が用いられているため、無効審決が出されました。このように、商標登録出願を行う際には、一部であっても著名なデザインを含めないようにしなければいけません。