プログラムの著作物

プログラムの著作物は、著作権法第10条第1項第9号に定められています。今回は、原告がプログラムの著作者であるか争われた事件を紹介します(令和7年(ワ)第3632号 損害賠償請求事件)。具体的記述が特定されないため、原告プログラムは存在しないと判断されました。

(要旨)著作権法上の「プログラム」とは、「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したもの」(同法2条1項10号の2)であるから、プログラムをプログラム著作物(同法10条1項9号)として保護するためには、プログラムの具体的記述に作成者の思想又は感情が創作的に表現され、その作成者の個性が表れていること、すなわち、プログラムの具体的記述(一般的にはソースコードがこれに当たる。)において、指令の表現自体、その指令の表現の組合せ、その表現順序からなるプログラムの全体に選択の幅があり、それがありふれた表現ではなく、作成者の個性が表れていることが必要である。

原告は、本件プログラムの著作権者(少なくとも共同著作者)であることの前提として、本件プログラムが原告プログラムを基に、A及びBを補助者として自らが本件プログラムを開発したと主張する。しかしながら、原告は、当該原告プログラムについて、ソースコードを含め、その具体的記述を一切特定していない上、甲1論文を含め本件全証拠によっても、(何らかの電子計算機を利用するためのプログラムが作成されたという程度のことは認められるとしても、)そもそも何が作成されたのか全く不明と言わざるを得ず、著作物としての「原告プログラム」が存在するとは認められない。なお、甲1論文の記載内容は、「原告プログラム」の目的や、それに用いられる計算式、適用例等が記載されているにすぎず、甲1論文その他原告の研究成果を示す論文等を参照しても、プログラムの目的や設計思想についてはともかく、プログラムそれ自体の設計や実装に原告がどのように具体的に関与したかも明らかでない。

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