両意匠の総合的な類否判断
両意匠の形状等における各共通点及び差異点についての個別評価に基づき、意匠全体として両意匠の全ての共通点及び差異点を総合的に観察した場合に、需要者(取引者を含む)に対して異なる美感を起こさせるか否かを判断します。
意匠に係る物品等の全体の形状等(基本的構成態様)は、意匠の骨格ともいえるものであって、視覚を通じて起こさせる美感への影響が最も大きい。よって、意匠が類似するためには、原則として、意匠に係る物品等の全体の形状等(基本的構成態様)が共通することが必要です。公知又は周知の形状等を寄せ集めた意匠であったとしても、その組合せの態様が新規であって、意匠に係る物品等の全体の形状等(基本的構成態様)として新規である場合には、その組合せによる意匠に係る物品等の全体の形状等(基本的構成態様)が新規な形状等として評価されます。
同様の共通点・差異点を有していても、それらが類否判断に与える影響の大きさに
ついての評価は常に同じとは限らないことから、同一の物品等の分野における既存の類否判断事例であっても、その結論のみを別の事例に単純には適用しない。