傘立ての意匠
意匠の類比判断で非類似と判断された事例です。目につきやすい場所や使い勝手の面で非類似と判断されています。単に形状が異なるという点だけでなく、使いやすさに影響を与える造形的特徴という反論が有効であると思います。
相違点(ア)
傘支持枠について、本願意匠は、細幅の略横長長円形状の枠を正面中央に隙間を開けて略環状に湾曲したものであって、その隙間から長傘を差し込んで収容することや、枠の先端に折り畳み傘をストラップでひっかけて保管することを可能としているのに対し、引用意匠は、2つの同径の環状の枠を上下に近接して平行に配したものである点
相違点(ア)の、傘支持枠の相違については、使用時に特に目につきやすい上端における相違であり、特に、引用意匠の、2つの同径の環状の枠を上下に近接して平行に配したものは、前記の参考意匠2にもみられるように本願出願前より公然知られているのに対し、本願意匠の、細幅の略横長長円形上の枠を正面中央に隙間を開けて略環状に湾曲したものは、本願意匠の出願前には見られないものであって、様々な形状の傘の収納・保管のしやすさにも影響を与える本願意匠独自の造形的特徴であるから、相違点(ア)が類比判断に与える影響は極めて大きい。