商標類否判断事例NO.10
「JOLLY SPAGHETTI」の文字を標準文字で表してなり、第30類「Spaghetti.」を指定商品とした本願商標が、拒絶査定を受けて不服審判で非類似と審決された事例を紹介します。「Jolly-Pasta」の欧文字と「ジョリーパスタ」の片仮名を2段に横書きとした引用商標は結合商標であり、「Jolly」の文字部分を分離、抽出するものではなく、非類似であると判断された事例です。
(要旨)引用商標の構成中の「ジョリーパスタ」の文字は、「Jolly-Pasta」の欧文字の読みを片仮名表記したものと理解されるところ、これらの文字に相応して生じる「ジョリーパスタ」の称呼は無理なく一連に称呼し得るものである。さらに、引用商標の構成中のいずれかの部分が、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせない。そうすると、引用商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「Jolly」の欧文字部分に着目するというより、むしろ引用商標の構成全体をもって一体不可分のものと認識、把握すると判断するのが相当である。
したがって、本願の指定商品と引用商標の指定商品の類否について判断するまでもなく、引用商標の構成中の「Jolly」の欧文字を要部として分離、抽出し、その上で、本願商標と引用商標とが、外観、称呼及び観念を同一にする商標であるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。