商標類否判断事例NO.12

「olympe」の文字を標準文字で表してなり、第5類「人用栄養補助食品」、第29類「乳酸菌飲料」、第30類「コーヒー,コーヒー飲料」及び第32類「清涼飲料水」を指定商品とした本願商標が、オリンピック競技大会を指標する標章「OLYMPIC」と類似であるとして異議申し立てを受けたが、非類似であるため維持決定された事例を紹介します。

(要旨)(2)本件商標は、上記第1のとおり、「olympe」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「オリンポスの神々」等の意味を有する語(「クラウン仏和辞典 第7版」株式会社三省堂)として辞書に掲載されているとしても、その意味が、我が国の一般需要者の間でよく知られたものとは認め難いから、特定の意味合いを理解させることのない一種の造語として理解されるものである。そして、特定の意味を有さない欧文字からなる造語にあっては、我が国で広く親しまれた外国語である英語読み又はローマ字読みにならって称呼されるのが一般的といえるから、本件商標からは、「オリンペ」の称呼を生じるものと判断するのが相当である。したがって、本件商標は、「オリンペ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)そこで、本件商標と引用標章を比較するに、外観については、両者は、末尾における「e」と「IC」の文字の相違により、外観上十分に区別できるものである。また、称呼については、本件商標より生ずる「オリンペ」の称呼と、引用標章より生ずる「オリンピック」の称呼とは、その音構成において語頭からの「オリン」の音を共通にするも、これに続く音において「ペ」と「ピック」との明確な差異を有するものであるから、両者は称呼上明瞭に聴別し得るものである。さらに、観念については、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、引用標章は「オリンピック競技大会」の観念を生じるから、両者は観念上紛れるおそれがないものである。そうすると、本件商標と引用標章とは、その外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。

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