商標類否判断事例NO.14

ロゴ商標で、第30類「菓子等」および第43類「飲食物の提供」を指定商品・指定役務とした本願商標が、拒絶査定を受けて不服審判で引用商標と類似であると審決され、審決取消訴訟でも類似と判断された事例を紹介します(令和7年(行ケ)第10010号 審決取消請求事件)。下図に示す本願商標の「珠屋」を分離して観察することができるとして類似であると判断されました。

(要旨)引用商標「珠屋珈琲」は、「珈琲」の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないのに対し、「珠屋」の部分は一定以上の自他役務識別力を有し、前記の取引の実情をも考慮すると、「珠屋珈琲」が標準文字の漢字4文字からなるひとまとまりの外観を有し、「タマヤコーヒー」の称呼が無理なく一気一息に称呼し得るとしても、分離観察をすることが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとは認められないから、「珠屋」の部分を抽出し、その部分だけを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。

本願商標の要部である「珠屋」の文字部分と引用商標の要部である「珠屋」の文字部分とを比較すると、外観においては、引用商標は標準文字であるのに対し、本願商標は別紙「商標目録」記載のとおりの色彩及び書体からなる点が異なるが、これが文字として「珠屋」を表していることは明らかであって、商標の類否が離隔的観察によるべきことをも考慮すると、取引者、需用者に対し、外観上、相当程度近似した印象を与えるものということができる。称呼については、いずれも「タマヤ」という同一の称呼が生じる。観念については、いずれも特定の観念が生じない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です