商標類否判断事例NO.9
「ユニプロ」の称呼を生じるロゴ商標で、第28類「ペット用おもちゃ,運動用具」を指定商品とした本願商標が、異議申し立てを受けて非類似と審決された事例を紹介します。ロゴ商標として著名な「ユニクロ」とは、外観、称呼が異なり、非類似であると判断された事例です。
(要旨)外観においては、本件商標と引用商標1とは、いずれも四角の中に白抜き文字を表してなるものであって、上段の「UNI」及び下段の「O」の文字を共通にするとしても、下段の「PR」と「QL」の文字の差異を有するところ、両商標は、いずれも6文字という比較的少ない文字構成において、上記の文字の差異により、構成全体として異なる語を表示した印象を与えるというのが相当であって、外観において区別できるものである。
次に、本件商標から生じる「ユニプロ」の称呼と引用商標から生じる「ユニクロ」の称呼を比較すると、両者は第3音において「プ」と「ク」の音の差異を有し、この差異が共に4音という短い音構成からなる両称呼全体の語調語感に及ぼす影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、互いに聞き誤るおそれはないものと判断するのが相当である。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、比較することができないものである。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較できないものであるから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
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