技術的範囲について
特許請求の範囲の技術的範囲は、明細書や意見書で記載した内容を参酌して文言解釈が行われます。令和 6年 (ネ) 10045号 特許専用実施権侵害差止請求控訴事件では、意見書等の記載から、被告製品がオゾンを意図的に加えているため、酸素供給手段に該当しないと判断されました。裁判では出願経過の包袋も含めて権利範囲が解釈されます。
(要旨)
本件各発明の構成要件D「該第2の収容槽内に酸素を含 むマイクロナノバブルを供給する酸素供給手段」の供給手段は、オゾンが積極的に加えられたマイクロナノバブルを供給する供給手段を含まないというべきところ、被告システムでは、第2の収容槽に当たる曝気槽内にマイクロナノバ ブルを供給する装置があり、そのマイクロナノバブルには、オゾンが意図的、積極的に加えられていると認められるから、被告システムは構成要件Dを充足 しないというものである。