特許事務所での未経験者教育NO5

特許事務所にて沢山起案して学んだ新規出願の効率的な起案の仕方を説明します。発明者との面談前に本願発明の技術的特徴を掴み、できれば従来技術を簡単に調べておきます。また、聞きたいことのメモを事前に用意しておき、面談時にメモの内容を漏れなく聞くと共に、クレーム骨子まで立てて面談を終えます。

起案する際には、面談時の内容に沿って、図面を頭でイメージしながら特許請求の範囲を作成します(ステップ1)。次に、従来技術の説明について本願発明に関連する技術内容のみ簡潔に記載し、解決しようとする課題について、クレーム1で解決できる内容のみを記載します(ステップ2)。

そして、それぞれのクレーム用語を用いて従来技術にはない本願発明の作用効果を記載します(ステップ3)。このとき、できる限りそれぞれのクレームが限定解釈されないように作用効果を記載し、構成要件で足りていない部分や不必要な部分があれば修正します(ステップ4)。ここまでできれば、明細書の半分以上が完成です。

続いて、実施形態に使用する図面を検討しますが、全体説明図⇒個別説明図⇒変形例説明図の順番で検討するのが効果的です(ステップ5)。変形例説明図まで検討しておけば、クレーム1の上位概念化ができている事となります。図面は、手書き又はパワーポイントでラフな図面を作成し、クレーム用語を用いて図面と照らし合わせながら実施形態の作成を行います(ステップ6)。

実施形態の作成に際し、まずはクレームをそのままコピペし、符号を付けた方が漏れがなくなります。ただ、クレームをそのまま実施形態に記載すると分かりにくいので、その後、クレームを分解して各構成要件について詳細に説明します。次回は、各ステップで注意すべき事項を記載します。

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