特許事務所での未経験者教育NO8
最後に、外国中間処理を円滑に進める方法を書きます。現地代理人の費用を安く抑えるには、現地代理人が起案を進めやすいように指示書を作成することに尽きます。
外国中間処理は基本的に日本の中間処理と同様ですが、外国特許文献の引用が多い点が異なります。espasnetでファミリー情報を調べれば、日本特許文献がある場合が半分くらいあるのですが、ない場合は英語で機械翻訳して内容を確認します。オフィスアクションの概略を掴んで引用文献をさっと読む点は日本中間処理と同じです。
外国中間処理で特徴的な点は、ファミリー案件で応答済み(例えば日本)の案件がある点で、応答方針が立てやすくなっています。現地代理人にファミリー案件を調べてもらってコメントをもらうと膨大な費用を要求されますので、日本代理人がファミリー案件を調べて応答方針を立てる事がベストです。
補正案が固まれば、補正案の英訳、補正の根拠(段落番号)、意見書骨子を作って現地代理人へ指示レターを送ります。この指示レターの実態的内容は、A4 1枚で纏めるのがベストです。指示レターを受け取った現地代理人は、補正案や引用文献を確認して応答書面を作成しますので、日本代理人が細かく応答方針を立てると余計に時間がかかるからです。
これで特許事務所での未経験者教育について終わります。