相違点の容易想到性
主引例との相違点が容易に想到できるものであることを周知技術を用いて判断された事件を紹介します(令和6年(ネ)第10012号 特許権侵害に基づく損害賠償請求控訴事件)。相違点が周知技術であるためには、周知技術である証拠を示さなければならない審査基準に即した事例です。
(要旨)
(相違点)
本件訂正発明5では「受信装置」が「個別情報」の送受信や「処理」を行う対象が「携帯電話」であるのに対し、乙52発明では「非接触データキャリア等」である点
スマートカードの機能を携帯電話の機能に取り込み、受信装置におけるRFIDインターフェースを用いて、スマートカード内のデータ(個別情報)の送受信を携帯電話との非接触の交信により行う技術(乙19)及び受信装置における個別情報の送受信を、ICカー
ドに代えて携帯電話との非接触の交信により行う技術(乙9及び11) は、本件特許の優先日(平成13年4月17日)当時、いずれも外部メディアに記録された個別情報の送受信により必要な処理を行うシステムを開発しようとする当業者にとって周知技術であったということができる。