自然法則に反する発明

発明とは自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度なものと特許法第2条第1項に規定されています。エネルギー保存の法則に反するとして不服審判の拒絶審決を維持した事件を紹介します(令和 6年 (行ケ) 10014号 審決取消請求事件)。定格運転角速度からの減 速の際に余剰エネルギーを回収することによって発電する発明ですが、自然法則に反しているとして拒絶されたため、自然法則を利用した技術的思想の創作をしなければ、特許にならないと改めて認識できます。

(要旨)本願発明に関して本願明細書で説明されている、リニアモーター カーを等加速度運動させた際、空気抵抗がない等の理想状態であれば、運転開始からt秒後の消費エネルギーE 1 が時刻tの一次関数となることは、何ら立証されていない。原告が提出する甲2 5 によっても、「無反動推進機の試作品」なるものが動作する(前進する)こ とが判明するのみで、その消費電力や運動エネルギーの状況は全く分からず、上記の古典力学以外の自然法則を証明するものとは到底いえない

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