識別力が否定された事例NO.19
拒絶査定不服審判で商標法第3条第1項第3号の識別力がないとして拒絶審決が出された審決取消請求事件を紹介します(令和5年(行ケ)第10076号 審決取消請求事件)。指定商品を第16類「ラベルプリンター用テープカートリッジ」とする商品の形状についての下記商標の識別力が否定されました。
(要旨)客観的に見て、商品等の機能又は美感に資することを目的として採用されると認められる商品等の形状は、特段の事情のない限り、商品等の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として、商標法3条1項3号に該当すると解される。また、当該商品の用途、性質等に基づく制約の下で、同種の商品等について、機能又は美感に資することを目的とする形状の選択であると予測し得る範囲のものであれば、当該形状が特徴を有していたとしても、同号に該当するものというべきである。さらに、需要者において予測し得ないような斬新な形状であっても、当該形状がもっぱら商品等の機能向上の観点から選択されたものであるときは、「商品又は商品の包装の形状であって,その商品又は商品の包装の機能を確保するために不可欠な立体的形状のみからなる商標」について商標登録を受
けることはできない旨を規定する商標法4条1項18号の趣旨から、同法3項1項3号に該当するというべきである。

