識別力が否定された事例NO.21

登録商標について商標法第3条第1項第3号の識別力がないとして非侵害と判決された侵害訴訟事件を紹介します(令和4年(ワ)第9818号 商標権侵害差止等請求事件)。「熱中対策応急キット」の文字を標準文字として、第18類 「ポーチ、かばん類」等を指定商品とする登録商標の識別力が否定されました。

(要旨)「熱中対策」の語は、本件査定日の時点で、「熱中症対策」との意味でも一般的に理解され、「熱中対策応急キット」の語は、熱中症の対策又は応急処置に用いる物品一式ないしそのような物品を含む商品との意味を有することが一般に認識されていたことが認められる。そして、本件指定商品は、熱中症の対策又は応急処置に用いる物品ないしそれらを収納するポーチ等(それらの全部又は一部を組み合わせたものを含む。)の商品に含まれると認められるところ、標準文字で表される「熱中対策応急キット」との本件商標がかかる商品に使用された場合、当該商品の取引者又は需要者によって、当該商品の用途を示すものとして一般に認識される状態となっていたといえる。そうすると、「熱中対策応急キット」との本件商標は、指定商品に使用された場合、商品の用途を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として、法3条1項3号に該当するものと解するのが相当である。

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