識別力が否定された事例NO27
立体商標で、第36類「建物の売買」及び第37類「建設工事」を指定役務とした本件商標の識別力が否定された事例を紹介します(令和7年(行ケ)第10095号 審決取消請求事件)。この立体商標は、商品の形状を普通に用いられる方法で使用する標章であるして識別力が否定されました。
(要旨)本願商標の構成は、前記⑵アのとおり、上面視四角形の周縁表面に石調の模様を施した住宅建物の基礎相当部分(水切り状の部分及び立ち上がり部分)を表してなり、建物下部の地面と接する部分の表面に凹凸をつけるとともに、縦線と横線を配してなるところ、構成全体として、凹凸、縦線及び横線の装飾を施した建物の基礎相当部分の形状を表している。このうちの建物部分の基礎(立ち上がり部分)につき、建物の基礎部分の機能又は美観向上のために、石材を用いたり(前記⑶イ(ア))、塗装や化粧モルタル施工等を行い表面に装飾をすることは一般に行われており、その中には、石調の素材等を使用し、その質感・素材感を再現したり重量感・ボリューム感があることを謳うものや(前記⑶イ(イ)a など)、縦線や横線を施したもの(前記⑶イ(イ)a(a)など)や目地による線を用いた意匠を施すもの、凹凸をつけたものなども存在する(これら全体として前記⑶イ(イ))。また、乙5、6に示された一般の水切りの形状に比して、本願商標のうちの水切り状の部分に、特段の特徴があ
るものとは認められない。そうすると、本願商標の立体的形状は、建物の基礎部分について、機能又は美観に資することを目的として採用されたと認められるものであり、建物の基礎部分の形状として、本願商標の需要者において、機能の向上又は美観の向上を目的とする形状の変更又は装飾等を施したものと予想し得る範囲のものということができるから、それを超えて、本願商標の形状の特徴をもって、役務の出所を識別する標識として認識させるものとはいえない。そして、これら機能又は美観に資することを目的とした立体的形状の採用について、特段の事情も認められない。したがって、本願商標に係る立体的形状は、商品の形状を普通に用いられる方法で使用する標章のみからなる商標として、商標法3条1項3号に該当するというべきである。



