類否判断を考えてみましょうNO.21

「包装用容器」について、登録意匠と引用意匠は似ていると思いますか?答えは似ている(類似)と判決されました(令和6年(行ケ)第10108号 審決取消請求事件)。部分意匠と全体意匠の相違により非類似で関連意匠として認められないが、全体として類似しているとして意匠法3条1項3号に該当すると判断されています。

(要旨)本願意匠の本願部分は、別紙第1の実線で表された部分であり、意匠に係る物品である包装用容器の一部であるいわゆるフランジ部分であるところ、本意匠(本件登録意匠)は、別紙第2のとおり、意匠に係る物品である収納容器全体であるから、両者はその「用途及び機能並びに位置、大きさ及び範囲」並びに形状等において大きく異なるものである。そうすると、本願意匠は、本意匠と類似するものであるとはいえず、関連意匠として意匠法10条1項による登録を受けることはできない。次に、引用意匠である本件登録意匠は、本願意匠が関連意匠として登録を受けられない以上、意匠法10条2項の適用を受けることができず、本件登録意匠が同法3条1項1号又は2号に該当するに至らなかったものとみなすことはできない。そして、本願意匠と引用意匠の意匠に係る物品は、「包装用容器」と「収納容器」であって、用途・機能が共通する。また、本願部分と引用部分は、いずれも物品の左右側面における物品外辺の上部約3分の1の位置から物品上端部にかけて設けられたフランジ部であって、主として当該フランジ部上端部、側面視におけるフランジ部、フランジ部下端の隆起後の極端な凹み等において共通の特徴的態様を有するから、形状において類似するものといえる。そうすると、本願意匠は、引用意匠(引用部分)と類似するといえ、同法3条1項3号により、意匠登録を受けることはできない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です