商標類否判断事例NO.8

「Rittal ePOCKET」の文字を標準文字で表してなり、第9類「コンピュータソフトウェア等」、第35類、第38類、第41類及び第42類を指定商品、指定役務とした本願商標が、拒絶査定を受けて不服審判で非類似と審決された事例を紹介します。「ePOCKET」の文字を標準文字とした引用商標に対し、本願商標から「ePOCKET」の文字部分を分離、抽出するものではなく、同じ大きさ、同じ文字種をもって外観上まとまりよく一体的に表れた結合商標であると判断された事例です。

(要旨)本願商標は、「Rittal ePOCKET」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、「Rittal」の文字と「ePOCKET」の文字の間に一文字程度のスペースがあるものの、その構成文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ文字種をもって、外観上まとまりよく一体的に表されているものである。そして、本願商標全体から生じる「リッタルイイポケット」の称呼も無理なく一連に称呼し得るものである。
また、本願商標の構成中「ePOCKET」の文字部分のみが取引者、需要者に対し商品及び役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足りる事情は見いだせない。そうすると、本願商標の上記構成及び称呼からすれば、これに接する取引者、需要者は、本願商標を、その構成全体をもって、一体不可分のものとして認識し、把握するとみるのが相当である。
したがって、本願商標の構成中「ePOCKET」の文字部分を分離抽出し、これを前提に、本願商標と引用商標とが類似するとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。

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