引例同士を組み合わせる動機付け

進歩性を否定するには、引用文献同士を組み合わせる動機付けがあるか否かを検討します。令和 6年 (行ケ) 10035号 審決取消請求事件では、振動に関して引例2には立体表示演出に限定されていないことから、引例1+2により進歩性がないとして拒絶審決が維持されました。

(請求項1の一部)
D 所定のタイミングにて発生する前記画像変位演出の態様として D1 前記変位状態にて前記振動装置による振動が発生しない通常態様と、D2 前記変位状態における前記基準画像の外縁形状は前記通常態様と同じであ るものの前記変位状態にて前記振動装置による振動が発生する特別態様と、が設けられており、E 前記所定のタイミングで発生した前記画像変位演出が前記通常態様となった場合よりも、前記特別態様となった場合の方が、当否判定結果が当たりとなる蓋然性が高い

(要旨)原告は、引用発明の「画像変位演出」と甲2技術事項の「立体表示演出」は手法や演出効果の点で異なる演出であることに照らせば、組み合わせる動機付けはない旨を主張する。
しかしながら、各演出は、基準となる画像とは異なる見え方をする画像が表示されるものである点で共通するといえ、組合せの動機付けがないということはできない。また、甲2技術事項は、立体表示演出に振動する演出を追加することで期待度が高い演出を行うものであるところ、立体表示演出でしか振動する演出を行えない事情は認められない。・・・それぞれの演出は、遊技機における報知演出の一部として実行さ れるものであるところ、引用発明の演出に振動発生させる技術を適用することがタ イミングの観点から不可能であるとする事情は見いだせない。

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