共同研究
2社以上の共同研究である場合、各社の持分割合を決めて特許出願を行うことが通常です。今回は、共同研究か否かが争点となった控訴事件を紹介します(令和 6年 (ネ) 10058号 損害賠償請求控訴事件)。この事件では、本件共同研究の研究成果を公表する行為に当た るとは認められず、被告に特許権の取得を妨げる行為があったとは認められないと判断されました。
(要旨)
原告の指摘する点を考慮しても、講習会資料の本件記載 部分が改ざんされたものと認めることはできず、平成10年3月当時にお いて、青ノリ(スジアオノリ)について水車採苗を行うという着想自体は 既に存在していたことが推認され、これを覆すに足りる証拠はない。・・・また、共同研究契約書(甲2)及び再度の共同研究に係る共同研究申込書(案)(甲11) によれば、本件共同研究の研究課題は、「水車を利用した青ノリの採苗技術の開発」であり、具体的な研究内容は、①母藻から遊走子を放出させる 条件の解明、②水車の操作方法の確立、③のり網への遊走子付着の確認である。そして、本件共同研究が開始された当時、黒ノリについては既に水車採苗技術が確立していたこと(乙2、13、14、原審証人B1~2頁) を踏まえると、青ノリについて水車採苗を行うという着想自体は、格別想起することが困難なものであったとは考えられないから、それは本件共同研究の前提ではあっても、本件共同研究の成果ではないというべきである。