米国著作権法
米国デジタルミレニアム著作権法DMCA512条には、「侵害主張の通知を受けた場合に、侵害に当たるとされる又は侵害行為の対象とされる当該素材を除去し又はアクセスを解10 除すべく速やかに対応すること。」との規定があります。今回は、URLを削除する措置を撤回して同URLの回復を求めましたが棄却された事件を紹介します(令和6年(ワ)第70601号 DMCAカウンターノーティスに基づくURL回復請求事件)。
(要旨)原告の請求は、DMCA512条(g)項(2)節に基づき、被告に本件URLの回復義務があることを前提とするものであるから、この点について検討する。前記第2の2によれば、DMCA512条(g)項は、サービス・プロバイダが、侵害に当たると主張される素材又は行為へのアクセスを解除し又はこれを除去した場合のサービス・プロバイダの責任について定めた規定であり、同項(1)節において、素材又は行為が最終的に侵害に当たると判断されるか否かにかかわらず、善意で行ったアクセス解除又は除去については責任を負わない旨を規定し、同項(2)節において、サービス・プロバイダが、侵害主張の通知に基づいて行ったアクセス解除又は除去については、原則として同項(1)節の適用がないことを定めるとともに、例外として一定の条件を全て満たした場合に同節の適用が認められるとして、同項(2)節(A)号ないし(C)号の各条件を規定するものである。以上によれば、DMCA512条(g)項(2)節の規定は、サービス・プロバイダが削除申請に基づいて素材等を除去等した場合に、責任を免れるための条件を定めたものであって、サービス・プロバイダに一定の義務が発生することを定めたものであると解することはできない。