類否判断を考えてみましょうNO.22

新規性喪失の例外手続きにおいて、最初に公開した意匠と後に公開した意匠とが同じであれば、最初に公開した意匠のみ証明書に記載すればよいこととなっています。物品名「バッグ」について、引用意匠と新規性喪失の例外手続きの証明書記載意匠とは似ていると思いますか?答えは似ていない(非類似)と判決されました(令和5年(行ケ)第10071号 審決取消請求事件)。今回は、非類似であるため、引用意匠について新規性喪失の例外適用が認められなかった事例を紹介します。

(要旨)引用意匠は、甲2(別紙第2の2枚目及び3枚目)のとおりであって、上記認定の証明書記載意匠と対比すると、両意匠の形状等についての相違点は、本件審決が認定した前記第2の3(5)イのとおり、証明書記載意匠は、正面側のスタッズを左右寄りに縦一列縦1列に、三つずつ設け、上から一つ目から二つ目よりも二つ目から三つ目の間隔をやや長く配し、本体部及び把持部は黒色であるのに対し、引用意匠は、正面側のスタッズを左右寄りに縦一列ほぼ等間隔に四つずつ設け、本体部はアイボリーで把持部は茶色で、留め付け側に環状金具を配したものであり、両意匠は、把持部の環状金具の有無、正面側のスタッズの個数及び配置態様並びに把持部及び本体部の色彩が相違するものである。そして、証明書記載意匠と引用意匠とは、以下の(4)において判断するとおり、少なくとも正面視において、正面側のスタッズの個数及び配置態様の点で相違点を有し、かかる相違点は、物品の性質や機能に照らして実質的にみて同一であると十分理解できる範囲内のものであると認められる場合とはいえないから、同一の意匠とはいえない。

本願意匠
引用意匠
証明書記載意匠
証明書記載意匠

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です