識別力が否定された事例NO25

「ヘルスジム」の文字を標準文字として、第41類『トレーニングジムの提供』などを指定役務とした本件商標の識別力が否定された事例を紹介します(令和7年(行ケ)第10085号 審決取消請求事件)。「ヘルスジム」は健康のための屋内トレーニング施設を容易に想起するとして、識別力が否定されました。

(要旨)本願商標は、「ヘルスジム」の文字を標準文字で表してなるものである。ここで、「ヘルス」は「健康」(乙1:広辞苑第七版、乙2:大辞林第四版)、「ジム」は「室内トレーニング施設」(乙3:広辞苑第七版)、「トレーニングのための屋内施設」(乙4:大辞林第四版)を意味する語として、いずれも辞書に載録され、外来語由来ではあるが我が国において広く用いられるなじみの深い語である。そして、上記辞書の記載によると、「ヘルス」の語は、「ヘルスセンター」、「ヘルスケア」及び「ヘルスツーリズム」のように、語の後ろに名詞を組み合わせて「健康のための○○」を示す用法が慣用されていると認められる。また、証拠(乙5~12)によると、「ジム」の語は、それ自体「健康増進、維持を目的とする屋内運動施設」を示す用語として使用されるほか、「フィットネスジム」、「パーソナルジム」及び「リハビリジム」のように、語の前に名詞又は形容詞を組み合わせて「○○といった特徴を有する屋内トレーニング施設」を示す用法が慣用されていると認められる。そうすると、本願の指定役務の取引者、需要者というべき一般消費者は、「ヘルスジム」との文字列から、「健康のための屋内トレーニング施設」との意味合いを容易に想起するものといえる。
以上の点は、本願の指定役務に関する取引の実情からも裏付けることができる。すなわち、証拠(乙13~20、24~26、35、36、38~40、43、44、48)によると、全国版・地方版を問わない新聞記事、地方公共団体の広報紙、不動産開発会社や旅行代理店のウェブサイト、店舗検索ウェブサイト、インターネット上のニュースサイトやブログ等において、「ヘルスジム」の語が、「健康のための屋内トレーニング施設」といった意味合いを示す用語として、特段の語句の説明もなく、相当程度使用されていることが認められる。このことは、本願の指定役務の取引者、需要者において、「ヘルスジム」の文字列から、「健康のための屋内トレーニング施設」との意味合いを容易に想起することを裏付ける実情ということができる。
以上によると、本願商標は、「トレーニングジムの提供」等を含むその指定役務との関係で、役務の質(内容)を表示記述するものであって、本願商標が当該指定役務に使用された場合に、取引者、需要者により、将来を含め、役務の質(内容)を表示したものと一般に認識されるものである。そして、本願商標は、「ヘルスジム」の文字を標準文字で表してなるものであり、特段、識別力を獲得するための他の要素は加えられていない。したがって、本願商標は、その指定役務について役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるといえるから、商標法3条1項3号に該当する

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