出願変更(特許⇒意匠)に伴う新規性喪失の例外

新規性喪失の例外適用を受けた特許出願(特願2017-118407)を分割し、その分割した特許出願を意匠登録出願(意願2020-2824)に変更した事件です。特許出願をした後、意匠についても権利を取得したいときに認められている方法です。

本件模様瓦の意匠は、本件パンフレット及び本件写真の交付により公然実施されたものであるから、新規性がないと審決されました。

その理由は、本件写真及び本件パンフレットには、本件模様瓦の意匠が開発中のものであることや開発者に対する内部的なものであることの記載はなく、また、「秘」、「部外秘」、「非公開資料」などの記載がないばかりか、本件写真や本件パンフレットを添付した電子メールにおいても、その本文などに、添付された本件写真や本件パンフレットの電子データが営業秘密であるとか内部的なものであるなどの記載もなく、請求人事務所及びその従業員について、被請求人との間で、本件模様瓦の意匠に関し守秘義務を結んでいるなどの事実は認められないから、請求人事務所の従業員らに対して公然知られたと認められるというこのです。

また、本件意匠に係る出願に際して提出された新規性喪失の例外証明書の記載は、説明会における市長プレゼンテーションに係るものであって、請求人事務所への本件パンフレット及び本件写真の送付とは異なる行為であり、しかも本件パンフレット及び本件写真の送付は説明会の前に行われたものであるから、これを説明会と実質的に同一の行為とみることができるような密接に関連するものであるということはできない、とされています。

このように、新規性喪失の例外適用を受けようとする場合、将来の出願形態も見越して公にした証拠を収集する必要があります。詳細は下記をご覧ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です