著作者人格権
著作者人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保持権があります。このうち同一性保持権が争われた事件を紹介します。
同一性保持権を侵害する行為とは、他人の著作物における表現形式上の本質的な特徴を維持しつつその外面的な表現形式に改変を加える行為をいいます。
本件変更に係る部分は、主人公と女主人公の愛憎と主人公がDVを行い同棲生活が破綻に至るまでを描く第10稿の基本的な思想、感情の創作的表現は維持しつつ、第12稿の133シーン中15シーンにわたり第10稿の台詞等の内容が変更されており、単純な字句の修正や歴史的事実の是正にとどまらず、主人公が戦争詩を書く理由や主な登場人物の性格・心理等についての被告の解釈や描写を付加するなどしたものであることが認められる。として同一性保持権を侵害するとされました。