ダニ捕獲マット
ダニ捕獲マットの特許権侵害事件についてご紹介します(令和4年(ワ)第11025号 特許権侵害差止等請求本訴事件)。被告製品は「ダニ捕ってポイ」が原告の特許権を侵害していないと判断されました。
争点は、「多孔質通気性袋」という用語の解釈にあたって、「袋」とは、必ずしも開口部のない密閉構造である必要まではないものの、内包物を保持する際には容易に口を閉じ、拡散を防止することができることが求められるものであるとして、被告製品はダニ誘引物質が零れ落ちるため異なると判断され、均等侵害でも相違点が本質的部分であると認定されました。
(要旨)構成要件A-3にいう「多孔質通気性袋」とは、辞書的にも、本件明細書の記載からも、少なくとも内包物を内部で保持し、拡散を防止することができる構造を有することが必要であると解することが相当である。一方、販売被告製品では、ダニ誘引物質が2枚の不織布シートやガーゼ等で重ねて挟み込まれているのみであり、その周囲からダニ誘引物質が零れ落ちるようなものであるから、誘引物質を内部で保持することができる構造であるとは認められない。