引用文献の認定
引用文献に記載の用語の認定が誤りである旨を主張して審決取消訴訟を提起することがしばしば行われます。今回は、引用文献の認定に誤りはないと判断された事例を紹介します(令和7年(行ケ)第10088号 審決取消請求事件)。引用文献には、~でもよいと記載されていることが良くあり、具体的な実施例がない状態でも拒絶引例となり得ることから、厄介です。
(要旨)原告は、本件審決が、引用文献1の【0309】の「吸引アタッチメント2552が外科器具に結合し得る」との記載をもって、本願発明の「外科手術用ツール」に相当すると認定したことが誤りであると主張する。しかし、引用文献1の【0309】には、「吸引システム2500は、吸引アタッチメント2552を含む。…いくつかの実施形態では、吸引アタッチメント2552は、外科器具に結合するように構成してもよい。…」と記載されているから、この記載から、実施形態として、吸引システム2500の吸引アタッチメント2552が外科器具に結合する構成が示されていると認められる。そうすると、上記記載をもって上記構成が具体的に開示されているといえるから、引用発明の構成の開示としては十分というべきであって、本件審決が、引用発明において、「吸引アタッチメント2552に結合された外科器具」を認定し、本願発明と引用発明との対比において、引用発明の「吸引システム2500であって、吸引アタッチメント2552に結合された外科器具と、…からなり」を、本願発明の「吸引システムであって、外科手術用ツール、…からなり」に相当すると認定したことに誤りはない。

