著作権利用の再許諾
著作権法63条3項には、著作物の利用の許諾を得た者は、著作権者の承諾を得ない限り、その利用権を譲渡できない旨が定めされています。今回は、利用許諾を受けたものが再許諾し、再許諾を受けたものが再々許諾した行為が著作権法63条3項に違反するか否かが争点の一つとなった事例を紹介します(令和7年(ネ)第10027号、同年(ネ)第10054号 損害賠償本訴請求、使用差止め等反訴請求控訴、同附帯控訴事件)。許諾を得た者の監修及び承認を得る旨を定めたり、利用条件、契約内容等に関し、許諾を得た者の承認を得ることを定めているため、著作権法63条3項違反にならないと判断されました。
(要旨)控訴人は、著作物の利用の許諾を得た者は、著作権者の承諾を得ない限り、その利用権を譲渡できないのであるから(著作権法63条3項)、著作物の利用の許諾を得た者が、他人に対し、著作物の利用を再許諾することについても、著作権者の明示の承諾を得ることを要する旨の主張をする。しかしながら、補正ないし補充後の原判決の判示するとおり、本件許諾は、被控訴人がキャラクターちぃたんを使用して独自に商業活動を行うことを含むものであることや、Cが、キャラクターちぃたんの商品化について、被控訴人と株式会社タカラトミーアーツの担当者との間を取り次ぐなどしていること(甲29の1、2、甲30)に照らすと、本件許諾は、被控訴人から再許諾を得た者が、キャラクターちぃたんを使用して商品を製造、販売等することを含むものであると解するのが相当である。もっとも、著作権法63条3項の趣旨にかんがみると、本件許諾は、被控訴人から再許諾を得た者が、キャラクターちぃたんを使用して自由に商品を製造、販売等することや、被控訴人が、他人に対し、包括的な再々許諾の権限を付与することまで含むものであると解するのは困難であるが、① 被控訴人は、他人に対し、キャラクターちぃたんを使用して商品を製造し販売することを許諾するに際し、事前に、商品の具体的な内容について協議し、許諾範囲、許諾期間のほか、事前に商品の見本を被控訴人に提示し、被控訴人の監修及び承認を得ることなどについて定める「商品化権許諾契約」を締結していること(甲29の1、2、甲65の1)、② キャラクターちぃたんを使用して商品を製造、販売等することを再々許諾しているキャランドゥ(同社の代表者は、被控訴人の監査役であり被控訴人代表者の母である。)は、被控訴人との間で、キャランドゥは、第三者との利用契約に関し、事前に被控訴人に報告し、その利用条件、契約内容等に関し、被控訴人の承認を得なければならない旨を定める、キャラクターちぃたんの利用に関する代理店契約を締結していること(甲158)に照らすと、被控訴人の行為が著作権法63条3項に違反するとまでいうことはできない。

