データ送信主体

特許請求の範囲では、データのやり取りがどの端末間で行われるか記載します。今回は、データ送信主体が本質的部分の一つであるとして、非侵害と判断された事例を紹介します(令和7年(ネ)第10074号 特許権侵害差止請求控訴事件(第1事件)、特許権侵害損害賠償請求控訴事件(第2事件))。発明の本資質的部分の認定は、従来技術と比較して総合的に判断されます。

 (要旨)控訴人は、本件各発明における課題解決手段は、処方箋の画像データを画像印刷装置に送信するタイミングを、当該画像データが表示された店舗端末に対する操作がされたタイミングとすることであるから、このタイミングこそが本件各発明の本質的部分であると主張する。しかし、引用に係る原判決の「事実及び理由」中の第3の5⑵に判示したとおり、店舗端末の操作を契機として画像データが予約管理装置から画像印刷装置に送信されるという構成が本件各発明の本質的部分であるから、控訴人が主張するタイミングのみが本件各発明の本質的部分であるということはできない。
⑵ 控訴人は、本件各発明の本質的部分が上記のタイミングであることを根拠として、「利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する」(構成要件7C-3、8D)ことは、「利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを予約管理装置とは異なる装置から前記画像印刷装置に送信する」ことを含むと主張する。しかし、控訴人が主張するタイミングのみが本件各発明の本質的部分であるということはできないことは上記説示のとおりである。また、「利用者の前記店舗端末に対する操作に応じて、前記受信された画像データを前記画像印刷装置に送信する」主体が予約管理装置であることは、本件各発明の構成要件の記載から明らかであるから、予約管理装置からの送信という点を捨象して、前記構成要件(構成要件7C-3、8D)が「受信された画像データを予約管理装置とは異なる装置から画像印刷装置に送信する」ことを含むと解することはできない。 ⑶ 控訴人は、本件各発明と被告システムとの異なる部分は、本件各発明の本質的部分ではないから、均等の第1要件を充足すると主張する。しかし、上記⑴に判示したとおり、店舗端末の操作を契機として画像データが予約管理装置から画像印刷装置に送信されるという構成が本件各発明の本質的部分であるところ、被告システムは、この本質的部分をその要素とする本件各発明の構成要件7C-3及び8Dの発明特定事項を備えていないから、均等の第1要件を充足するとはいえない。

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