識別力が否定された事例NO30
下記ロゴ商標であって、第20類 「クッション、座布団、まくら、マットレス」、第24類「 クッションカバー、マットレスカバー、布団カバー、まくらカバー、織物製椅子カバー、織物製壁掛け、カーテン、テーブル掛け、織物製トイレットシートカバー、織物製トイレット蓋カバー」、第25類 「被服、帽子、履物及び運動用特殊靴」、第27類「じゅうたん、敷物、マット、ラグ、ヨガ用マット、織物製壁紙、壁掛け(織物製のものを除く。)」を指定商品とする本件商標の識別力が否定された事例を紹介します(令和7年(行ケ)第10099号 審決取消請求事件)。下記ロゴ商標の自他識別力の判断に結合商標であるか否かは関係なく、図形部分も文字部分も識別力が否定されました。
(要旨)本願商標のうち、本願図形部分は、トラの柄を模し、トラを上から見たときの平面形状を表した図形であるが、前記第2の1⑴アのとおりである本願図形部分の具体的内容によれば、トラの柄を模し、トラを上から見たときの平面形状を表し、S字状に湾曲した尾、U字形の口、上まぶたに縁取り様のデザインが施されているという特徴を有するものであり、「Tibetan Tiger Rug」あるいは「チベタンタイガーラグ」と称して取引されているじゅうたん・ラグに用いられている図柄(前記⑶ア(ア)ないし(キ))や、じゅうたん・ラグ以外の商品であって、当該商品を取り扱うウェブサイトにおいて当該商品を示す見出しの記載が「チベタンタイガー」、「Tibetan Tiger」の文字を含むものとされている商品に用いられている図柄(前記⑶イ(ア)ないし(ケ))と特徴が共通しており、外観が極めて類似しているものも多いといえる。また、本願文字部分は、「Tibetan Tiger」の欧文字からなるが、文字に特殊な装飾が用いられていることはなく、一般的な書体により表されているといえる。本願指定商品の取引者、需要者は、本願商標が本願指定商品に使用されたときには、本願商標は、「Tibetan Tiger」(チベタンタイガー)と称される図柄と、その図柄の名称を一般的な書体で表した文字を組み合わせたものであると認識するといえる。したがって、本願商標は、本願指定商品に使用された場合に、商品の品質を表示したものと一般に認識されるものであり、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものについて商標登録を受けることができる場合(商標法3条2項)のほかは、特定人によるその独占使用を認めるのは適当でないとされるものに該当し、その指定商品について商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標(商標法3条1項3号)であると認められる。なお、本願商標は、使用をされた結果需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるもの(商標法3条2項)であるとは認められない。
原告は、前記第3の1〔原告の主張〕⑴及び⑹のとおり、本願商標は本願図形部分と本願文字部分が一体不可分的に構成された結合商標であり、かつ独創性を有するものであるなどとして、全体として自他識別力を有しており、独占適応性が認められると主張する。しかし、結合商標につき、当該商標を構成する要素を一連一体のものと観察すべきか、それとも分離して観察することが可能であるのかは、当該商標と他の商標との類否判断において検討すべき事項であって、これによって当該商標の自他識別力の有無が直ちに決まることはない。本願商標についても、そもそも本願図形部分と本願文字部分がこれらを分離して観察することが取引上不自然と思われるほど不可分的に結合しているとは解しがたいものである上、上記両部分の分離観察可能の可否は、本願商標の自他識別力の有無の判断を直ちに導くものではない。そして、前記⑷ア、イのとおり、本願図形部分は、トラの柄を模し、トラを上から見たときの平面形状を表し、S字状に湾曲した尾、U字形の口、上まぶたに縁取り様のデザインが施されているという特徴を有する図柄であって、「Tibetan Tiger Rug」あるいは「チベタンタイガーラグ」と称して取引されているじゅうたん・ラグに用いられている図柄(前記⑶ア(ア)ないし(キ))や、じゅうたん・ラグ以外の商品であって、当該商品を取り扱うウェブサイトにおいて当該商品を示す見出しの記載が「チベタンタイガー」、「Tibetan Tiger」の文字を含むものとされている商品に用いられている図柄(前記⑶イ(ア)ないし(ケ))と、特徴が共通しており、外観が極めて類似しているものも多く、独創性が高いとはいえない。本願文字部分は、「Tibetan Tiger」の欧文字を一般的な書体で表してなるものであって、独創性が高いものとはいえず、本願文字部分の文字が本願図形部分の図柄の名称として用いられているものであることからすれば、本願図形部分と本願文字部分を組み合わせた結合商標としたことについても、独創性が高いとは認められない。


