プログラムの著作性

プログラム自体は特許法上の物(特許法2条4項)として保護されますが、著作物としても保護されます。今回は、原告プログラムが著作物であり、被告は原告著作権を侵害したと認定された事例を紹介します(令和4年(ワ)第1703号 著作権侵害差止等請求事件)。著作物としてプログラムの創作性が認められるには、相当の選択の幅があるプログラム表現の中から、特定のプログラム表現を選択していることが必要となります。

(要旨)プログラムは、「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したもの」(著作権法2条1項10号の2)であり、所定のプログラム言語、規約及び解法に制約されつつ、コンピューターに対する指令をどのように表現するか、その指令の表現をどのように組み合せ、どのような表現順序とするかなどについて、著作権法により保護されるべき作成者の個性が表れることになる。したがって、プログラムに著作物性があるというためには、指令の表現自体、その指令の表現の組合せ、その表現順序からなるプログラムの全体に選択の幅があり、かつ、それがありふれた表現ではなく、作成者の個性、すなわち、表現上の創作性が表れていることを要するといわなければならない(知財高裁平成21年(ネ)第10024号同24年1月25日判決・判例時報2163号88頁参照)。

原告プログラムのライブラリについては、これが機械語に変換される前のソースコードの全体が開示されているものではないものの、そのプログラムの性質上求められる機能の種類やその多様性、それらに伴って要求される演算処理の内容等に照らせば、PDプログラム及びICプログラムのいずれのライブラリも、相当の行数にわたる長大なソースコードをもって記述されたものが機械語に変換されたものと認められる。このことのみから直ちにプログラムとしての創作性を肯定するものではないが、相当のプログラム表現上の選択の幅の中で、特定のプログラム表現を原告が選択したことをうかがわせる事情として指摘した上で、原告が原告プログラムのライブラリに係るコンパイル前のソースコードを開示して主張立証する部分を具体的に見ても、①プログラムの動作記録を行うLOGとエラーが生じた場合に対応する処理とを関連付ける記述部分、②マルチスレッドプログラミングの記述部分、③画像データの保存と受信の形式に係る記述部分、④メモリ使用量を少なくするデータ受信方法に関する記述部分があり(甲6~9)、いずれも創作性を肯定することができる。

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