容易の容易
「容易の容易」という用語は審査基準にはありませんが、「主引用発明に、2つの副引用発明を直列的に適用すること」とされています。今回は、容易の容易が争点の一つとなった事例を紹介します(令和7年(行ケ)第10105号 審決取消請求事件、令和7年(行ケ)第10107号 審決取消請求事件)。周知技術と副引例を直列的に組み合わせて本件発明に想到することは格別の努力を要するものではないと認定されました。
(要旨)また、被告は、① 甲1発明は本件発明1の管理端末に対応する端末を備えるものではない、② 仮に甲1発明のタクシー端末を本件発明1の管理端末として利用するとしても、甲1発明のタクシー端末がQRコードを表示できるような表示部を備えているか不明である、③ 後部座席のユーザが前部座席の管理端末を操作し、これに表示されているQRコードを読み取るのは困難である、④ 相違点に係る本件発明1の構成に想到することは、「容易の容易」に該当する旨の主張をするが、証拠(甲51、99、103、104、124)及び弁論の全趣旨によれば、前部座席に設置されるタクシー端末とは別途に、又は、これに加えて、後部座席に、広告等を表示するためのタブレット端末等を設置することは、原出願日当時の技術常識であったと認められ(被告は、原告が、本件訴訟において新たに提出した証拠に基づき、後部座席にタブレット端末等を設置することが原出願日当時の技術常識であった旨の主張をすることは許されないというが、上記証拠は、当業者が甲1発明aに周知技術A及び甲11記載技術を組み合わせることを容易に想到し得たものであることを裏付けるもので、原告の主張は、本件審判請求の手続において争点となっていた無効原因を立証するための周知技術を裏付ける範囲を超えるものではない。)、相違点に係る本件発明1の構成に想到することは、格別の努力を要するものでないから、被告の主張は採用できない。

