職務著作
著作権法第15条では、一定の要件を満たす場合に法人等が著作者となる「職務著作(法人著作)」制度を設けています。今回は、職務著作か否かが争われた事例を紹介します(令和7年(ワ)第8052号 損害賠償請求事件)。従業員の撮影であり、会社に原始的に帰属した職務著作であると認定されました。
(要旨)本件各写真のうち本件写真1ないし3は、撮影当時、岳洋社の従業員であったIが岳洋社の業務の一環として撮影したもので、その著作権は、職務著作として、岳洋社に原始的に帰属したものであったこと(著作権法15条)、本件写真4は、岳洋社が他の業者に委託して撮影されたもので、その岳洋社への納品と共にその著作権も岳洋社に帰属したものであったこと、岳洋社の発刊に係る魚釣りの総合誌「関西のつり」が平成28年に廃刊となった後、Iは平成29年6月20
日に原告を設立し、原告として、「関西のつりWeb」とのウェブサイトを開設した上、上記総合誌「関西のつり」を引き継ぐ形での発信を行うようになったこと、このような経過の中で、岳洋社は、原告に対し、平成29年9月29日、本件写真1ないし4を含めた所定の著作物について、「デジタル媒体(Webサイト、SNSなど)を用いた記事として複製し、使用することについて独占的利用を許諾」し、さらに、令和6年8月10日、本件各写真を含めた所定の著作物について、その著作権を譲渡したこと、他方で、本件写真5は、原告の上記設立後に、その代表者であるIが、原告の職務として撮影したもので、その著作権は、職務著作として原告に帰属したものであったことが認められる。

