ノウハウ

開発委託契約書には、特許権等という表現でノウハウも包含した書き方が一般的です。今回は、ノウハウを提供する義務と負っていたとは認められなかった事例を紹介します(令和7年(ネ)第10089号 原状回復請求控訴事件)。情報提供を受ける必要のある技術内容については、契約書に明記しておくことが必要です。

(要旨)発明及び考案とノウハウが異なるものであり、本件実施許諾契約の対象が本件特許権等に限られるとすると「ノウハウ」の文言が空文化することは控訴人指摘のとおりである。しかし、原判決を引用して説示したとおり、本件実施許諾契約において「本件特許及びノウハウ」とは本件特許権等をいうものである旨が明確に定義されており、他の条項をみても本件特許権等とは別に「ノウハウ」が対象となっていたと解することはできない。控訴人が当業者でなく、本件特許権等に係る発明又は考案の実施のために被控訴人から情報提供を受ける必要があったというのであれば、情報の内容や提供方法につき契約締結前に交渉し、契約書に条項を設けるべきものであるが、そのような事実は本件証拠上認めるに足りない。したがって、被控訴人が情報提供義務を負っていたとは認められない

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