クレーム用語の技術的意義

特許請求の範囲の用語の解釈にあたっては、明細書等の記載を参酌できます(特許法第70条2項)。今回は、明細書の記載は実施例の1つにすぎず、限定解釈されなかった事例を紹介します(令和7年(ネ)第10078号 損害賠償請求控訴事件)。タクシー情報の意義は、配車可能なタクシー車両の情報と判断されました。

(要旨)「タクシー選択範囲情報」の意義は、ユーザがタクシー車両を選択するための「タクシー迎車依頼地からの距離的範囲を設定する情報」と、また「タクシー情報」の意義は、「ユーザが選択した距離範囲内に存在する配車可能な全てのタクシー車両の情報」と解釈するのが相当である。原告らは、本件明細書の「現在地より半径500m以内」等の記載は実施例の一つにすぎず、「タクシー選択範囲情報」には時間的範囲を設定する情報も含まれると解することが、本件特許の目的や本件発明の核心的構成に沿う、構成要件D3において、ユーザ端末からタクシー迎車依頼地情報とタクシー選択範囲情報を受信したアプリ管理サーバが、移動端末情報データベースを確認してユーザ希望の範囲に存在する「タクシー情報」を作成しユーザ端末に通知する構成が開示されていることなどからすると、「タクシー情報」の意義は、上位概念である「輸送(車両又は会社)サービス項目一覧情報」と解釈すべきである旨の主張をするが、前記のとおり、本件明細書の記載を考慮すると、「タクシー選択範囲情報」の意義は「タクシー迎車依頼地からの距離的範囲を設定する情報」と、「タクシー情報」の意義は「ユーザが選択した距離範囲内に存在する配車可能な全てのタクシー車両の情報」とそれぞれ解釈するのが相当であり、原告らの主張は採用できない。

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