類比判断を考えてみましょうNO4

下記の左の香水瓶(本件意匠)と、右の香水瓶(引用意匠)は似ていると思いますか?答えは似ていない(非類似)と審決されました。

相違点

(ア)高さと径の比率
本願部分は、高さと径の比率が約1:1であるのに対し、引用部分は、約9:11で、本願部分の方が引用部分よりやや縦長である点、
(イ)下端の枠体の有無
本願部分は、下端に略リング状の枠体を段差状に取り付けているのに対し、引用部分は、枠体は取り付けていない点、
(ウ)天頂部
本願部分は、天頂部の径が全体径の約1/3であるのに対し、引用部分は、約1/2で、本願部分の方が引用部分より天頂部が小さいものである点、
また、引用部分は、分割線より上全体を暗調子としているのに対し、本願部分は、暗調子としていない点、

判断

相違点(ア)について、本願部分は引用部分に比べて、約1.2倍程度、縦長ではあるものの、その違いは顕著ではなく、需要者に異なる美感を起こさせるものではないから、両部分の類比判断に与える影響は小さい。

相違点(イ)について、本願部分の下端の略リング状の枠体は、やや幅広かつ表面が平滑なため、その上方の細溝部とのコントラストが明確であって、比較的目立つものといえ、また、当該枠体は、本体と蓋との分割線上の目に付きやすい部位であることから、需要者に異なる美感を起こさせるものといえる。したがって、相違点(イ)が両部分の類比判断に与える影響は大きい。

相違点(ウ)について、引用部分の天頂部は、本願意匠の天頂部より、やや大きいことに加え、分割線より上全体を暗調子としていることで、誘目性が高く、また、香水瓶を手に取ったり、蓋を開けたりする際に、天頂部は目に付きやすい部位であることから、需要者に異なる美感を起こさせるものといえる。したがって、相違点(ウ)が両部分の類比判断に与える影響は大きい。

http://isho.shinketsu.jp/originaltext/ds/1411377.html

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