識別力が肯定された事例NO4

識別力が無いとして商標登録無効審判が請求され、識別力があるとして有効審決が出された事例を紹介します。登録商標の各用語を結合した意味合いが漠然としているため、識別力があると判断されています。

・「アニマルコミュニケーション士」の文字を標準文字として、第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。)」を指定役務とした事例

本件商標の構成中、「アニマル」の文字部分は「動物」(甲7)、「コミュニケーション」の文字部分は「社会生活を営む人間の間で行う知覚・感情・思考の伝達」(甲8)、「士」の文字部分は「一定の資格・役割をもった者」(甲9)の意味を有する語であるところ、各文字を結合して具体的な成語となるものではなく、各語の語義を結合した意味合いは漠然としているから、構成文字全体として動物と関連した何らかの資格を表してなることを連想させるとしても、役務の質(提供主体、内容)を具体的に表示するものではない。

請求人は、「アニマルコミュニケーション」とは、人と動物が意識のレベルで意思疎通を行う技術、技能を意味する語であり、メディア(テレビ、新聞、雑誌、書籍)で紹介されていること(甲10~甲64)、そして、本件商標の登録査定時にはアニマルコミュニケーション、アニマルコミュニケーターの語は、需要者、取引者において広く認知されていたことを指摘し、本件商標は「動物とのコミュニケーションに従事する者」との意味合いが生じ、役務の特徴を直接的に表示するもので、自他商品役務識別機能を発揮するものではない旨を主張する。しかしながら、請求人が援用する事例は、「アニマルコミュニケーター」と称する、動物との意思疎通などを図ることをうたう人物と関連する記事情報や、ペットの気持ちを感じ、理解する方法などを「アニマルコミュニケーション」と称する記事情報などであるが、本件商標「アニマルコミュニケーション士」なる語が、具体的な役務の質(提供主体、内容)を表示する語として取引上一般的に使用されている事実を示すものではない。

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