マイ・マネージメント⑤
前回は、開業2か月目以降の外向きベクトルで「納期の前倒し」が重要であることを記載しましたが、今回は、開業2か月目以降の「クライアントの信頼を得る」動き方について記載します。
「クライアントの信頼を得る」には、担当者やその上司、経営層が弁理士に何を求めているのかを、コミュニケーションを取りながら相互理解を深めることが最も重要です。コミュニケーションというからには双方向である必要があります。相手方から一方的な提案を受けるだけでも駄目ですし、弁理士の担当業務について一方的に押し付けることも駄目です。
弁理士という職業は、知的財産権に関する様々な仕事がありまして、出願系や審判系といった高度な行政手続業務から、鑑定や訴訟といった係争業務、知財活用支援や知財調査・分析といったコンサルタント業務と多岐に亘ります。ですので、クライアントに知財の基礎からレクチャーして、事務所への外注部分を抽出したり、時には全ての業務において伴走支援したりすることが必要です。
私の場合、一人で開業しましたので、「クライアントの信頼を得る」ために、半年~1年かけて地道にコミュニケーションを図り、クライアントが困っていることを抽出し、その解決方策を議論して最適解を導き出し、クライアントにマッチした私のスタンスを固めます。そのためには、行政手続業務しかできない弁理士では困りますので、様々な知的財産権に関する提案、考察ができる弁理士としてレベルアップを図る努力をこれからも続けます。