均等第5要件
特許侵害訴訟事件において、文言侵害が成立しない場合に備えて、均等侵害を予備的に主張することが一般的です。今回は、均等5要件のうち第5要件(意識的除外)が否定されて非侵害と判断された事例を紹介します(令和6年(ワ)第2606号 特許権侵害差止等請求事件)。この事件では、被告製品は本件発明にはない作用効果を発揮すると認められるとして、置換非容易性(第2要件)にも該当すると認定されています。
(要旨)本件特許1の出願過程において、原告は、拒絶理由通知書(甲5)に対し、平成30年4月28日付け手続補正書(甲7)によって、構成要件D-1の構成を追加する補正をし、本件意見書(甲8)において、従来技術が「スチーム圧力が必要なエスプレッソマシンであって……本願発明はドリップ式コーヒーメーカーに係る発明であるが、湯を沸騰させてスチーム圧力を発生させることはない…本願明細書【0021】に記述しているように湯温度が90~100℃に達したときにヒータをOFFするのでスチーム圧力を利用していないことは明白である。」と述べていた。このような本件意見書の内容に照らせば、被告製品の構成である、湯を沸騰させてスチーム圧力を発生させる構成は、本件発明1から意識的に除外されたと認められる。
よって、均等の第5要件を充足しない。

