金銭的請求権
出願商標の設定登録前の金銭的請求権について、商標法第13条の2「商標登録出願人は、商標登録出願をした後に当該出願に係る内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後商標権の設定の登録前に当該出願に係る指定商品又は指定役務について当該出願に係る商標の使用をした者に対し、当該使用により生じた業務上の損失に相当する額の金銭の支払を請求することができる。」と規定されています。ただし、設定登録後でしか権利行使できません(同条2項)。今回は、金銭的請求権について争点となった事例を紹介します(令和7年(ワ)第70146号 商標権侵害による不法行為損害賠償請求事件)。特許についての補償金請求権と同様ですが、設定登録がされない場合は逆に損害賠償請求を受ける可能性があることから慎重になるべきです。
(要旨)本件警告書には、「関ケ原検定(セキケン)」及び「合戦士」の商標登録を得ている旨の記載は存在するものの、当該記載が原告各商標に係る商標登録出願の内容である旨の記載や、商標登録出願において記載が求められる内容(登録を受けようとする商標や指定商品又は指定役務(商標法5条1項参照))に係る記載はないことが認められる。そして、本件警告書における商標に係る記載内容と原告各商標の内容は明らかに異なるから、これを受領した者において、本件警告書が、出願中の原告各商標についてその使用を警告するものと理解することはできないというべきである。そうすると、本件警告書における上記記載をもって、原告各商標につき具体的な商標登録出願に係る内容が記載されていると認めることはできず、その意味においても、本件警告書に基づく警告が商標法13条の2所定の要件を満たすものであるということはできない。

