防ダニシート
特許発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められ、特許請求の範囲の用語解釈に際して明細書や図面を参酌できます(特許法第70条第1項、第2項)。今回は、特許発明の技術的範囲について、「連続気泡構造体」との用語の解釈が明細書の記載に基づいて判断された事例を紹介します(令和7年(ワ)第2859号 特許権侵害差止等請求事件)。不織布の微小な空隙は、気泡に該当しないと判断されました。
(要旨)本件発明の技術的特徴に照らすと、「スポンジ状の連続気泡構造体の多孔質体」は、ダニを捕獲するための粘着層及びその外側のダニが通過し得る粘着剤を含まない層を構成する部材として、一定の径を持つ「気泡」が「連続」する立体構造をもつ多孔質体をいうと解され、この構成が、本件発明1の課題解決手段として採用されたものと解される。…被告製品は、前記のとおり、樹脂シートの両面に粘着剤を加工(塗布)し、その上に不織布を重層している構造を有している。…不織布は、繊維が接着・絡合によって形成されたものであって、繊維間に微小な空隙を無数に有するという点において、多孔性を有する構造体ということはできるものの、固体(繊維)と固体(繊維)の間の空隙が径を観念できる「気泡」に相当するものとはいえないし、当該空隙は、個体(繊維)と個体(繊維)間に形成されたものであって、固体中に気体を含む微小部分があるとはいえないし、また、固体(繊維)の表面に気体を含んで丸くなったもの(泡)が形成されているともいえないから、「気泡」を備える構成であるとはいえない。したがって、不織布は、「連続気泡構造体」に該当しない。

