プログラムの著作物

プログラムは著作権法上の著作物として保護されますが、保護されるのは創作性のある表現部分に限られます。今回は、創作性のあるプログラムの存在が認められなかった事例を紹介します(令和8年(ネ)第10014号 損害賠償請求控訴事件)。アルゴリズムや規約自体は保護されず、著作権の帰属や使用条件は契約で明確化することが重要でして、アルゴリズムを保護する場合は、特許出願をご検討下さい。

(要旨)控訴人は、原判決が「非定常浸透流下にある斜面の安定解析プログラムの開発」と題する論文(甲1論文)の第一執筆者がAであったことから、Aが
甲1論文について中心的な役割を果たしたとの誤った事実を認定し、これを前提として判断したことについて、事実誤認があると主張する。しかし、前記引用に係る原判決の判示のとおり、甲1論文を含め本件全証拠によっても、原告プログラムの具体的記述として何が作成されたのか全く不明といわざるを得ないから、著作物としての原告プログラムが存在するとは認められず、本件プログラムとの関係を検討することもできない以上、本件プログラムの著作者又は共同著作者が控訴人であると認めることはできない。そうすると、Aが甲1論文について中心的な役割を果たしたとの事実認定を前提として判断はされておらず、その事実いかんによって上記判断が左右されるものではない。
控訴人は、控訴人が原告プログラムの内容について明らかにし、被控訴人が本件プログラムの少なくとも中核部分については控訴人が作成したプログラムを利用していることを自白したにもかかわらず、原判決はこれらを看過した事実誤認があると主張する。しかし、控訴人が指摘する控訴人の陳述書(甲21、32)によっても、原告プログラムの具体的記述が明らかにされているとはいえない。また、被控訴人は、原審の答弁書において、甲1論文の内容として、Aが控訴人の研究室で使用されていたプログラムを連動させて計算し、その結果を学会で発表したと主張しているのみであること、及び、本件プログラムは、被控訴人従業員のAが修正を行い、Bが新たにプログラムを作成するなどして作成したのであり、原告プログラムの内容は明らかではないと主張していることからすれば、被控訴人が本件プログラムの少なくとも中核部分については控訴人が作成したプログラムを利用していることを自白したということはできない

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