商標類否判断事例NO.3
左の本願商標と右の引用商標が類似であるとして拒絶査定を受けて不服審判で非類似と審決された事例を紹介します。外観、称呼及び観念の何れにおいても非類似と判断され、商標登録がなされ、妥当な判断だと思われます。
本願商標は、上段に、三角形の切り欠きが入った縦長の長方形、左から右に斜めに表された細長の台形、青色で表された欧文字の「V」様の図形、右から左に斜めに表された細長の台形、左下部分が欠けた三角形の各図形を横一列に大きく表し(以下「本願上段部分」という。)、下段に、「INTELLIGENCE WITH ARTIFICIAL(各単語の語頭の「I」、「W」、「A」は他の構成文字よりもやや大きく表されている。)」の文字(以下「本願下段部分」という。)を横書きしてなる構成よりなるものである。
そして、本願上段部分は、本願下段部分を構成する各単語の頭文字をモチーフとして表現したものと看取される可能性はあるものの、図案化の程度が顕著であり、色彩の統一性もなく、直ちに特定の文字として判読し難いことから、幾何図形を表したものとみるのが相当であり、これよりは特定の称呼及び観念が生じるとはいえない。
そうすると、本願上段部分は幾何図形を表したものであって、特定の称呼及び観念が生じることはないというべきである。
したがって、本願の指定商品及び指定役務と引用商標2の指定商品の類否について判断するまでもなく、本願商標の上段から「IWA」の文字を理解し、特定の観念は生じないとしても「アイダブリュウエイ」又は「イワ」の称呼が生じることを前提に、本願商標と引用商標2とが類似するとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものではない。