ビットトレント2

以前ビットトレントに関する発信者情報開示請求のブログを記載しました。ビットトレント(BitTorrent)は、ファイル共有のためのプロトコルおよびソフトウェアの一種でして、ファイルを複数の小さな部分(ピース)に分け、これらを参加者同士で直接交換するものです。今回も、著作権(自動公衆送信権)が侵害されたとして発信者情報開示請求が認められた事例を紹介します(令和7年(ワ)第11139号 発信者情報開示命令の申立てについての決定に対する異議の訴え事件)。目的ファイルの断片たるピースにとどまるとしても、その行為により、本件著作物の動画を自動公衆送信すると認定されました。

(要旨)本件各契約者が、本件著作物に係る動画を自動公衆送信し、被告の本件著作物に係る自動公衆送信権が侵害されたと認められる。原告は、再提出動画全体がなければ本件ピースファイルを再生できない、再生できたとしても3秒以内の映像でしかないことから著作物ではないとして本件各通信による被告の自動公衆送信権侵害はないと主張する。しかし、前記ビットトレントの仕組みに照らせば、ユーザーは目的ファイルの一部を構成するピースを、本件各契約者を含む不特定多数の者から順次取得して、最終的に目的ファイルの全体を取得することを前提としてビットトレントを使用している。そうすると、本件調査会社が再提出動画の全体を取得した時点はもちろん、その途中段階であっても、本件各通信に係る本件調査会社の相手方となった本件各契約者は、自身が直接アップロードしたのが目的ファイルの断片たるピースにとどまるとしても、その行為により、本件著作物の動画を自動公衆送信し、被告が本件著作物について有する著作権(自動公衆送信権)を侵害したものというべきである。

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