不使用取消審判

商標法50条1項は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品又は指定役務についての登録商標の使用をしていないときは、何人も、その指定商品又は指定役務に係る商標登録を取り消すことについて審判の請求をすることができる旨が規定されています。今回は、不使用に該当しないとして取り消されなかった事例を紹介します(令和8年(行ケ)第10009号 審決取消請求事件)。不使用取消審判における使用とは、商標的使用に限定されず、指定商品又は指定役務について何らかの態様で使用されていれば足ります

(要旨)被告が日本国内の一般の消費者に向けて令和3年12月15日に公開した本件ウェブサイト(これは、要証期間における被告のウェブサイトと同一の内容である。)には、被告のプライベートブランド(「わたしのこだわり」)について、「新PB「わたしのこだわり」のコンセプトは、いつまでも、安心で、おいしく、楽しい食卓のために、作る人と食べる人が一緒に考え、あなたの食のこだわりに応える商品」です。」、「新しくなった/東都生協のプライベートブランド商品が、/食卓をおいしく、幸せにします!」、「…組合員の疑問に答えるべく、「るんるんズ」が徹底調査。…プライベートブランド「わたしのこだわり」の秘密に迫ります。」などと記載されているほか、「「わたしのこだわり」調査隊。」及び「みんなの疑問に答えます!」の赤色文字が上下2段に、その右側上段に、3人のキャラクターの図像が、中段の同図像の直下に、各キャラクターに対応して「くばるん」、「たべるん」、「つくるん」の黒色文字が、下段に、「さんぼんすぎキャラクター「るんるんズ」」の黒色文字がそれぞれ表示され、これに続いて、Q&A形式で、プライベートブランド商品である複数の飲食料品の画像等と共に、プライベートブランドの理念、政策、考え方、プライベートブランド商品の品質、特徴、包装デザインやロゴマークの選定理由等に係る説明が記載されている(甲1、2、7)。使用商標と本件商標は、いずれも「たべるん」の文字を横書きに表して成るもので、社会通念上同一のものと認められる。そして、前記認定事実によれば、本件商標の商標権者である被告は、本件ウェブサイトの公開により、要証期間内に日本国内において、請求役務の一つである「飲食料品の小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」について、役務に関する広告に使用商標を付して電磁的方法により提供する行為により商標法2条3項8号に該当する「使用」をしたと認めることができ、そうすると、同法50条2項本文により、請求役務について本件商標の登録を取り消すことはできないというべきである。原告は、本件ウェブサイトにおいて、「たべるん」の文字は、キャラクターの図像と結び付いた態様で表示され、又は、キャラクターの名称又はキャラクター群の一員として表示されるにすぎないから、商標法50条にいう「使用」とはいえず、請求役務についての使用に当たらない旨の主張をするが、同条にいう「使用」は、商標的使用に限られず、請求に係る指定商品又は指定役務について何らかの態様で使用されていれば足りることは、前記のとおりであって、原告の主張は採用できない。

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