出所混同防止

商標法第4条第1項第15号は、他人の業務に係る商品または役務と混同を生ずるおそれがある商標の登録を禁止する規定です。今回は、原告表示は周知著名性を有しないため、被告商標に無効理由がないと判断された事例を紹介します(令和8年(行ケ)第10004号 審決取消請求事件)。周知著名性を獲得するまで時間がかかるため、大切なトレードマークについては、早く商標登録出願をしておかないと、他社が出願した登録商標によって使用できなくなる可能性があります。

(要旨)15号の規定は、周知表示又は著名表示へのただ乗り(いわゆるフリーライド)及び当該表示の希釈化(いわゆるダイリューション)を防止し、商標の自他識別機能を保護することによって、商標を使用する者の業務上の信用の維持を図り、需要者の利益を保護することを目的とするものである。しかるところ、前記認定事実によれば、原告には、令和2年10月頃から同年12月頃にかけて、一定の範囲で「ナノソリューションAg + 」のコーティングの施工実績は認められるが、その他に、原告表示の使用態様及び使用地域、「ナノディフェンダー」等を使用したコーティング剤又はそれを使用した施工実績、原告表示の広告宣伝の方法、期間、地域及び規模等が明らかではないから、本件出願日において、原告表示が15号によって保護されるべき周知著名性を有していたと認めるに足りる証拠はないというほかない。そうすると、本件商標をその指定商品に使用したときに、その取引者又は需要者において、その商品が原告の業務に係る商品と広義の混同を生ずるおそれがあるということはできない。

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