準委託契約

準委任契約とは、法律行為以外の業務(事実行為)を遂行することを委託する契約であり、成果物の完成ではなく業務の遂行自体が目的です(民法656条)。今回は、出版により受領すべき金銭に関する合意が認められないため、出版契約が準委任契約であり、いつでも契約解除できると判断された事例を紹介します(令和8年(ネ)第10027号 著作権侵害出版差し止め、損害賠償請求控訴事件)。昨今、コンサルタントやエンジニア、バックオフィス系の専門職(法務・経理・監査等)などを外部にアウトソーシングする準委任契約が多く、当たり前ですが、報酬合意を事前にしなければなりません。

(要約)控訴人は、当審における第1回口頭弁論期日(令和8年6月16日)において、被控訴人に対し、本件各書籍に係る出版契約を解除する旨の意思表示をした。本件各書籍に係る出版契約においては、控訴人が被控訴人に依頼して、本件各書籍を出版することが合意されているところ、上記2のとおり、被控訴人が控訴人に対して原稿料や著作権使用料を支払う旨の合意は認められず、他方、出版により被控訴人が控訴人から受領すべき金銭に関する合意も認められない。このような事情からすると、本件各書籍に係る出版契約は、控訴人が、被控訴人に対し、本件各書籍の出版という事務を、報酬の定めなく委任したという準委任契約たる性質を有するものと解される。そうすると、控訴人は、民法656条、651条1項の規定により、いつでも、本件各書籍に係る出版契約を将来に向かって解除することができるから、同出版契約は、令和8年6月16日をもって解除され、被控訴人は、本件各書籍を複製又は頒布する権原を有しないことに帰する。そして、弁論の全趣旨によると、被控訴人は、本件各書籍の原稿及び在庫を保有していることが認められるから、被控訴人による本件各書籍の複製及び頒布の差止めを認める必要がある

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です