翻案権
翻案権は著作権の一部で、著作物を翻訳・編曲・変形・脚色・映画化・ノベライズなどの形で新たに創作する権利です(著作権法27条)。今回は、デザインに関する翻案権侵害について争点の一つとなった事例を紹介します(令和7年(ワ)第3737号 著作権侵害差止等請求事件)。翻案権侵害は、表現の本質的な特徴が一致していることが必要となります。
(要旨)本件各著作物と各被告商品を対比すると、本件各著作物がテキスタイルデザインである一方で被告商品は足袋型ソックスである点も含め、具体的な表現方法に差異はあるものの、被告商品1は本件著作物1と、被告商品2-1及び同2-2は本件著作物2と、被告商品3は本件著作物3と、被告商品4-1及び同4-2は本件著作物4と、それぞれ表現の本質的な特徴において一致していると認めることができる。被告商品は、前記認定事実(1)のとおり、いずれも令和5年10月頃に中国企業のECサイトで販売されていたものであるところ、本件各著作物が遅くとも令和2年の時点で原告のウェブサイト上で公開されていたことに照らせば(前提事実(2))、被告商品が、いずれも本件各著作物に依拠して企画・製造されたものであると認めることができる。よって、被告商品は、輸入の時において国内で作成したとしたならば、本件各著作物の翻案権の侵害となるべき行為によって作成された物であり、被告が被告商品を輸入した行為は、その翻案権を侵害する行為とみなされる(法113条1項1号、27条)。また、本件被告サイトにおいて被告商品を販売した行為は、翻案物の譲渡による公衆への提供として本件各著作物の譲渡権を侵害する行為であり、被告商品の写真画像を本件被告サイトに掲載した行為は、本件各著作物の公衆送信権を侵害する行為に該当する。よって、被告の上記各行為は、本件各著作物に係る著作権を侵害するものである。

