上位概念と下位概念

上位概念の用語を用いた本願発明と、下位概念の用語を用いた引用発明とを比較すると、上位概念には下位概念が包含されるため、新規性・進歩性が否定されます。今回は、上位概念の用語を用いた本願発明の進歩性が否定された事例を紹介します(令和7年(行ケ)第10041号 承継参加申立て事件)。特許請求の範囲に記載された上位概念を下位概念に補正しない限り、進歩性が解消されません。

(要旨)原告は、甲1発明には、単に「gamma correction」(ガンマ補正)と記載されているにとどまり、本件訂正発明1の「予め強調処理」のためのガンマ補正は開示されていない点を相違点Yであると主張する。しかし、本件訂正発明1の「強調処理」は、単に「強調処理」と記載されているだけであり、限定は付されていない。そして、甲1発明の「ガンマ補正」が、明るい部分の明るさを抑えながら、暗い部分を明るくするように行う処理であることは本件優先日当時の技術常識である(甲12、13(いずれも枝番を含む。))。画像データに「ガンマ補正」を行えば、当該データの暗い部分がより明るくなるように補正される、すなわち「強調」されることは明らかであり、「ガンマ補正」の目的や用途にかかわらず、それ自体「強調処理」に該当するから、甲1発明の「ガンマ補正」は本件訂正発明1の「強調処理」に含まれるのであり、原告主張の相違点Yは相違点とは認められない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です